排泄のしくみ



PART4 排泄のしくみ

<腎臓のはたらき>


腎臓のはたらきと機構

腎臓の主なはたらき

・排尿により、血液中の不用な物質、有害物質を体外に出す。

代謝によってできた分解産物、有害物質→腎臓で濾過、再吸収、分泌→尿

糸球体…濾過
尿細管…再吸収、分泌


・体内の水分量を一定に保つ。塩分量を一定に保つ。血圧を一定に保つ。

レニン…腎臓でつくられる酵素の代表。

腎臓の構造

ソラマメを大きくしたような形(縦10cm、幅5〜6cm)、背中の両脇に2個ある。
毎分800〜1000mlの血液が流入   腎動脈→腎臓→陣静脈
  ↑
心臓から拍出される血液の1/5に相当。

皮質、髄質に分かれ、尿は、一番内側の腎盂(じんう)より尿管を通り膀胱へ。


排尿のプロセス

尿が排泄されるまでの通路

腎杯→腎盂→尿管膀胱→尿道
   (上部尿路)    (下部尿路)

尿管…28〜30cm 内腔直径4〜7mm

尿管の蠕動運動にやり尿が移動。

膀胱壁…1cmほどの厚さ→伸びると3mmくらいになる。

膀胱の許容量 500mlほど、最大800mlくらい


排尿までのメカニズム

排尿反射…末梢神経→脊髄→大脳→内尿道括約筋(意思とは無関係に)が緩む。

外尿道括約筋(意思によってコントロール可能)を緩める→尿の排出。

蓄尿反射…大脳の排尿中枢抑制→内尿道括約筋の収縮→尿の蓄積。


ネフロンのはたらき


ネフロンの構造

ネフロン
…腎臓の単位。血液を濾過、再吸収、分泌。腎小体尿細管から成る。左右で200万個ある。

腎小体糸球体ボーマン嚢  糸球体=毛細血管の束

糸球体をボーマン嚢が取り囲む。→尿細管に繋がる。

尿をつくる3つのプロセス

@濾過糸球体

糸球体がフィルターとなって血液中の不用な物質を血液の外に出す。

原尿…糸球体から出てきた液。(尿素、ブドウ糖、アミノ酸などを多く含む)

A再吸収→尿細管

原尿→尿細管   尿細管で栄養素、水などを再吸収。→血液中へ。

B分泌尿細管

糸球体で濾過されなかった不用物質は、尿細管が分泌→尿として排出。


糸球体での濾過


糸球体での濾過のしくみ

糸球体の壁…毛細血管内皮細胞、基底膜、足細胞からなる。
       (50〜100nmの穴)     (5〜10nmの穴)

3重構造のフィルター、一日160Lの血液を濾過。(原尿)

糸球体で濾過される量の99%は、近位尿細管、遠位尿細管で再吸収される。

最終的に尿は、1.5L/日くらいとなる。

糸球体で濾過されるもの

血液の主要成分 (赤血球、白血球、血小板など)→糸球体を通らない。

糸球体の壁を通過した血漿成分→原尿となる。(血液の外に排出される)


尿細管での再吸収


尿細管での再吸収のしくみ

近位尿細管…血液のリサイクル装置 (ブドウ糖、アミノ酸などを吸収)

残りの水分、塩分、老廃物など→集合管に向かう。

集合管=尿細管の合流点→尿となる→腎杯へ向かう。

体内の塩分を一定に保つ

人の身体の2/3は、水分。塩分が溶け込んでいるが、その濃度を一定に保つ必要がある。
            ↑
        尿細管が調節